著者
Kuroda Noritaka Sakai Masamichi Nishina Yuichiro Tanaka Masatoshi Kurita Susumu クロダ ノリタカ サカイ マサミチ ニシナ ユウイチロウ タナカ マサトシ クリタ ススム 黒田 規敬 酒井 政道 仁科 雄一郎 田中 正俊 栗田 進
出版者
The American Physical Society
雑誌
Physical Review Letters (ISSN:00319007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.20, pp.2122-2125, 1987-05-18
被引用文献数
3 104

A midgap absorption band is observed in the quasi one-dimensional semiconductor [Pt(en)2]-[Pt(en)2Cl2](ClO4)4 under hydrostatic pressures at room temperature, where en is ethylenediamine. The transition is allowed only for the polarization parallel to the -Cl-PtII-Cl-PtIV- chain. The peak position remains near the middle of the Peierls gap at any pressure up to 2.2 GPa. The intensity increases exponentially with the peak shift. The gap states responsible for this band are attributed to soliton excitations corresponding to kinks of the charge-density wave.顕著な一次元物性を示すことで注目を集めている擬一次元白金錯体[Pt(en)2][Pt(en)2Cl2](ClO4)4の結晶について光吸収スペクトルを静水圧下で測定した結果、パイエルスギャップのほぼ中間に対応する近赤外波長位置に、加圧と共に成長する一つの吸収帯が発見された。パイエルスギャップ自体は移動積分の増大のために圧力によって減少するが、新しい吸収帯も低エネルギー側にシフトし、かつシフト量はパイエルスギャップの減少分のほぼ二分の一に等しい。この結果に基づいて、新しい吸収帯は擬一次元結合上に生成した電子ソリトンによるものとの解釈を提案し、静水圧という手段で物理的に制御できた初めてのソリトンであることを論述した。

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