著者
三木 理史
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p175-186, 1993-03

本稿は、わが国における「軽便鉄道建設ブーム」の地域的展開を考察することを目的とする。その結果、明らかとなった事実はつぎのとおりである。1.1920年度における地方鉄道事業者を経営規模に基づいて区分すれば、「局地鉄道型」「中小地方鉄道型」および「大手地方鉄道型」の3類型に区分できる。2.免許件数の多寡は、国鉄幹線網の完成度と地域社会の経済力と関係が深い。かかるブームの重点地域として北海道、茨城、新潟、長野、岐阜、三重、兵庫の各道県が、準重点地域として関東諸府県、静岡、愛知、奈良、岡山、山口、福岡、大分があげられる。3.国有鉄道軽便線、「鉄道敷設法」改正予定線は民営軽便鉄道の建設が低調であった地域と地域経済力に乏しい地域に分布した。

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