- 著者
-
浅田 隆
- 出版者
- 奈良大学
- 雑誌
- 奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
- 巻号頁・発行日
- no.34, pp.1-40, 2006-03
一九二〇年代後半(大正末期)から一九九九年に逝去されるまで、奈良地方新聞の新聞人として奈良についての貴重な証言を書き続けた北村信昭氏の蔵書と遺品を、ご遺族のご好意で奈良大学図書館に、ご寄贈いただいた。この遺品の中に大正末から昭和期にかけての『大和日報』二〇四日分や松村又一の詩誌『雲』があり、ここに北園克衛(署名はすべて本名の橋本健吉となっている)の初期作品が掲載されている。また『大和日報』文芸担当者としての北村氏に宛てた北園の書簡や詩稿なども遺品中にある。ここでは、これら北村信昭氏の遺品中から確認できた北園克衛の作品(書簡も含め)詩二六(三〇)篇、評論・短篇小説等散文三篇、書簡五、詩稿一、『大和日報』文芸欄用カット五点ならびに北園のカットが三点掲載されている日の文芸欄(一日分)を一括して紹介した。