- 著者
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山本 晃
- 出版者
- 大阪教育大学教育学部障害教育講座
- 雑誌
- 障害児教育研究紀要 (ISSN:03877671)
- 巻号頁・発行日
- no.26, pp.19-27, 2003
現場での要求から、障害のある青年、特に情緒障害や知的障害のある青年の心理的問題を解明するために、本研究が企てられた。情緒的問題、知的障害を伴なった青年の発達を、健常青年のこころの発達に対する、ある種のバリエーションとして、位置づけようと考えている。第4報に引き続き、この第5報では、Blosの青年期の発達分類における「青年期後期」、およそ18歳から20歳ころにあたる時期と青年期から成人期への移行期である「後青年期」、およそ20歳以降から30歳ころまでの時期について、健常の場合を述べた。その際、理論のみに偏らないように事例をできるだけ多くとりあげた。 第4報と同様、論述を具体的にするために、事例をたくさん引き合いに出す。しかし、差し障りのない事例以外は、特定の事例をさしているわけではなく、これまでの私の事例経験などから創作している。いくつかの事例を繋ぎ合わせ、変更も加えたりした。青年期の課題を典型的に表現するように、また本来の問題点を歪曲しないように工夫した。This study is attempted from the needs in the school of mental handicapped children. Many teachers and parents want to know about the mentality of their adolescents with mental handicap. Their Mentality should be placed as the variation of the mentality of normal adolescents. According Blos'es classification this fifth report is the development of late adolescence and post adolescence, namely, pre-adulthood illustrated. To avoid the abstract theory several cases are adopted, About the ego identity by Erikson is also discussed.