著者
水口 啓吾 里見 有紀子 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-109, 2010

本研究では, 発達障害児が在籍する通常学級の中から, 発達障害児と接触頻度の高い健常児である接触頻度高群(16名), その他の健常児である接触頻度低群(129名), および発達障害児群(10名)を選出し, 架空の物語場面を用いて健常児と発達障害児の交流態度について比較検討した。架空の物語場面では, 問題の原因が健常児側にある場面と発達障害児側にある場面の2場面を呈示し, その後で登場人物の発達障害児に対する印象評定と行動評定を求め, 3群間で比較した。その結果, 印象評定では2つの場面とも, 3群間に有意差は見られなかった。しかし, 行動評定では接触頻度高群が最も好意的態度を示した。発達障害児と日頃接触している接触頻度高群でも, 発達障害児の唐突な言動に対しては好意的印象を持たないこと, しかし発達障害児と一緒に勉強する・遊ぶなどの交流行動では寛容的であることが明らかになった。

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