著者
淡野 将太 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.7, pp.311-314, 2007
被引用文献数
1

The present study categorized nicknames of Japanese undergraduates and examined their feelings toward nicknames. Results categorized nicknames into 12 categories: "nickname related to one's name", "name with -chan" (e.g., Yuki-chan), "famous person", "name with -kun or -san" (e.g., Yuki-san), "appearance", "nickname related to one's nickname", "psychological attributes", "another reading on Kanji of one's name", "occupational role", "object", "hometown", and "unidentified". And results indicated that undergraduates felt "nickname related to one's name", "name with -chan", and "name with -kun or -san" happier than "famous person" and felt "name with -chan" happier than "appearance".
著者
前田 健一
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

防波堤等の防災の構造物は海底や大きな石を積み上げたマウンドなどの地盤で支えられていることから,津波の押し波や引き波が構造物に作用する圧力だけでなく,地盤に波が浸透することにも着目した.その結果,地盤がゆるんで弱くなる液状化が被害を大きくするとともに,いったん構造物を超えた波が再び海面に落ち込む越流によっても,地盤の表面に液状化が発生し,大きく削る洗掘が発生することを明らかにした.さらに,津波襲来前の地震動による液状化の影響を調べ,巨大地震では以上のような液状化の負の連鎖が被害を大きくすることを示すとともに,被害を減らすための対策方法について,地盤工学の立場から提案している.
著者
三浦 均也 前田 健一 窪内 篤 菅野 高弘 大塚 夏彦
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、港湾地域における岸壁等の施設の耐震性能を高度化することであり、地震時における地震時土圧の特性を明らかにし、より合理的で経済的な地震時土圧の評価法および耐震設計法を開発することである。この目的を達成するために、北海道釧路港で実施していた「実大重力式岸壁の地震時挙動観測」で得られるデータの収集、分析・評価を進め、地盤の液状化に関連した岸壁の被害メカニズムを明らかにするとともに耐震設計の提案を行った。研究成果の概要および特徴は以下の通りである。「研究の独創性」 阪神淡路大震災で生じた港湾施設の甚大な被害に対して、これまでの耐震設計の枠組みの中で設計地震衝撃力を増大させ構造物が長大化させる考え方が主流であった。しかし、本研究ではこれまでの震度法にとらわれない。構造物の振動特性と液状化対策の効果を適切に反映できる独創的な地震時土圧評価法および耐震設計法を提案し、その検証を観測結果に基づいて検証することができた。「研究の実用化の可能性」 2003年十勝沖地震における観測結果を解析することによって、地震時における岸壁の挙動メカニズムが明らかになり、提案していた地震時土圧の評価法も検証することができた。現在をこの評価法を取り入れた耐震設計法の開発を終え、1年以内に行われる港湾構造物の耐震設計法の改訂という形で研究の成果が実用化されることになった。また、試験岸壁の建設時や建設後長期間に渡る観測においても岸壁挙動の重要な知見が得られ、これらは岸壁の施工管理や維持管理において今後実用化される予定である。「研究の達成度」 当初予定していた現地観測と耐震設計法の開発を予定通り達成することができた。2004年9月26日には十勝沖地震が発生し試験岸壁は震度5強の衝撃力を受けた。試験岸壁の背後地盤は液状化し、岸壁には地震時特有の変形が生じ機能が深刻な損傷を受けた。地震衝撃力による液状化を伴う岸壁の被害を観測によって捕らえることに成功したため、観測結果の解析と耐震設計法の検証は説得力を持って予定通り達成することができた。「研究の学問的発展への貢献度」 このような実大岸壁の背後地盤の液状化を伴う地震時挙動を得たのは世界的にも初めてである。地震時挙動の観測によって得られたデータは、2005年1月17日から1年間インターネットで世界の研究者に公開している。このデータを用いた研究成果を持ち寄り2005年9月には国際会議を開催する予定であり、この分野の学問的発展に大きく寄与するものと期待している。また、このような前例のない観測を通じて観測方法や試験方法についても重要な知見を得ることができた。
著者
森河 由紀弘 佐藤 智範 前田 健一 篠田 裕重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00208, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
41

今日まで多くの粘土瓦が使用されてきたが,近い将来には寿命を迎えた大量の廃棄瓦が発生する.また,粘土瓦を製造する際には不良品となる規格外瓦が一定量発生するが,これらの不要粘土瓦の再生原料以外のリサイクルはあまり進んでいない.そこで,本研究では規格外瓦を砕いたリサイクル材料である破砕瓦の構造物の裏込め材や裏埋め材としての適用性について,室内模型試験や実物大の現場試験により検討を行った.破砕瓦は軽量性や摩擦性が高いため,構造物に作用する水平土圧の低減効果を期待できることや,無補強でも高い支持力が期待できること,繊維補強材による支持力補強効果も期待できること,上載荷重の影響範囲は山砂とほぼ同様であることが明らかとなり,破砕瓦は裏込め材や裏埋め材として適用可能であることが分かった.
著者
内藤 直人 前田 健一 山口 悟 牛渡 裕二 鈴木 健太郎 川瀬 良司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_361-I_370, 2013 (Released:2014-03-14)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

Cushioning materials, such as sand cushion placed on rock sheds, are attracting attention as construction devices that can effectively disperse and reduce rock fall energy before rocks collide with rock fall protection works. To support performance-based designs for rock fall countermeasures, the present study estimated rock fall behaviors and impact forces using 2D discrete element method (2D-DEM). As one of the typical behaviors, propagated impact force can exceed impact force of falling mass. We conducted two numerical analysis focused on this phenomenon; monotonic penetration test controlling under constant penetration velocity, and removing falling mass during penetration process for any time. In addition, the effects based on some condition of sand cushion, weight of falling mass and its velocity are examined from the view point of impact force-penetration relationship of sand cushion.
著者
前田 健一 國枝 克行 河合 雅彦 長尾 成敏 田中 千弘 種田 靖久 岩田 仁
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.2869-2873, 2012 (Released:2013-05-25)
参考文献数
10

症例は46歳,女性.全身倦怠感を主訴に前医を受診し,Hb 5.4g/dlと貧血を指摘され,精査加療目的に当院紹介となった.腹部症状は特に認めなかった.造影CTにて,十二指腸内腔に40mm大の腫瘤を認め,上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部より発生し,先端は十二指腸下行脚に及ぶ有茎性腫瘍を認めた.Brunner腺過形成・過誤腫・腺腫,脂肪腫などが疑われた.大きさより内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;以下EMRと略記)は困難と判断され,手術施行となった.手術は十二指腸球部から下行脚に切開を加え,腫瘍の基部で結紮切除した.病理組織学的検査でBrunner腺過誤腫と診断された.Brunner腺過誤腫はまれな疾患であるが,上部消化管出血の原因として考慮すべきである.
著者
中村 多見 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.3, pp.147-155, 2003

本研究では,「怒り経験(誰にどのようなことをされて,どのくらいの怒りを感じたか)」と「怒り対処方法(その怒りを誰に対して,どのように対処したか)」について,怒りを感じた対象(怒り対象)とその怒りを表出した対象(表出対象)が同じ場合の「一致群」と異なる場合の「不一致群」との比較検討を行った.調査対象は,大学生および大学院生180名であり,エピソード法を用いた質問紙調査を行った.その結果,一致群と不一致群のいずれの場合も,友人や恋人・配偶者などの身近な人物が怒り対象になりやすく,怒り対象への好意度は一致群の方が不一致群より高かった.また,不一致群が表出対象として多く挙げていたのは,怒り対象とは別の友人や恋人・配偶者であり,怒り対象よりも好意度が高いという特徴を有していた.このことから,大学生の怒り対象と表出対象の一致と不一致の規定因に,怒り対象もしくは表出対象への好意度があることが明らかになった.さらに,不一致群の方が一致群よりも言語的表出という怒り対処方法を多用していた.
著者
新見 直子 川口 朋子 江村 理奈 越中 康治 目久田 純一 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.7, pp.125-138, 2007

本研究では、中学生、高校生、大学生を対象に自己愛傾向(評価過敏性、誇大性、身体賞賛、自己確信)と自尊感情(Rosenberg, Cheek & Buss, SE-Iの各自尊感情尺度で測定される自尊感情)を測定し、青年期の自己愛傾向と自尊感情の関連性について発達的に検討した。本研究の主な目的は、4つの自己愛傾向尺度得点と3つの自尊感情尺度得点が、中学、高校、大学の各学校段階においてどのような因子構造をもつのかについて二次因子分析をとおして検討することであった。自己愛傾向と自尊感情の7つの尺度得点について学校段階別に二次因子分析を行った結果、いずれの学校段階においても自己を受容する尺度得点から構成される因子と他者評価を気にする尺度得点から構成される因子の2因子が抽出された。
著者
前田 健一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.94, 2002

全国レベルでの規模拡大が進んでいない現状の中で、新潟県頚城村では経営規模の拡大が進んでいる点に注目し、規模拡大が展開している要因を考察することを本報告の目的とした。1969年以降からはじまった減反政策のさらなる強化や近年のさらなる米価の低迷は、全国的レベルで水稲作農業経営を困難なものとして、その対応に苦慮しており、低湿地を広く持つ頚城村でも例外ではなかった。畑作物の導入が困難な村の農業経営の安定にとっては、水稲作の大規模化が迫られている。このような状況のもとで、一部の個別経営農家や農業法人では積極的な経営規模の拡大が展開している。農地の流出元は「浜」の少ない面積を所有する多数の農家、「在」の大きな面積を所有する少数の農家が挙げられるが、近隣である上越市周辺の就業機会の深化とともに流動面積を伸ばした。
著者
前田 健一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.156-166, 1995-06-30
被引用文献数
1

The purpose of this study was to examine whether peer status groups and subgroups differed in terms of loneliness, peer perceptions and self-perceptions of their aggression, withdrawal, and social competence. Five status groups of children (popular, rejected, average, neglected, and controversial) were identified on the basis of positive and negative sociometric nominations for 459 children in Grades 3 through 6. Of these groups, 200 children were selected on the basis of peer perceptions of aggression, withdrawal, and social competence to represent the following 8 subgroups:high-competent popular (HCP), low-competent popular (LCP), aggressive rejected (AR), withdrawn rejected (WR), aggressive-withdrawn rejected (AWR), high-withdrawn neglected (HWN), low-withdrawn neglected (LWN), and typical average (TA). Consistent with previous findings, the rejected children were viewed by peers as significantly more aggressive, withdrawn, and socially incompetent with higher levels of loneliness than average and popular children. Children in the AWR, WR, and HWN subgroups were found to be significantly more lonely and exhibited more inaccurate self-evaluations in aggression or withdrawal than typical average children.
著者
越中 康治 新見 直子 淡野 将太 松田 由希子 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第三部, 教育人間科学関連領域 (ISSN:13465562)
巻号頁・発行日
no.56, pp.319-323, 2007-12-28

The present study examined effects of motive and purpose on preschoolers' judgments about aggressive behavior. 61 preschoolers made judgments about 4 types of aggressive behavior that combined motive (selfish, altruistic) and purpose (defense, retribution). Children under the age of four (n=16; average age, 44 months; range, 33-47 months) judged all types of aggressive behavior to be wrong. However, four-year-old children (n=18; average age, 55 months; range, 50-59 months) and older children (n=22; average age, 68 months; range, 60-75 months) allowed all types of aggressive behavior. Especially, older children allowed altruistic aggressive behavior more than selfish aggressive behavior. Moreover, retribution was allowed more than defense. The results indicate that judgments of older children are based on moral concepts (harm, welfare, and justice), whereas judgments of younger children tend to be oriented toward authority.
著者
中台 佐喜子 金山 元春 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.2, pp.151-157, 2003-03-28
被引用文献数
1

本研究では,76名の年長幼児を対象に,仲間集団における同性仲間および異性仲間からの人気度と社会的スキルとの関係について男女別に検討した.相関分析の結果,社会的スキルの高さは男児では同性仲間からの人気度と,女児では異性仲間からの人気度と関係していることがわかった.この結果を指名する方の立場から整理してみると,男児は相手の性にかかわらず社会的スキルに優れているかどうかが遊び仲間の選択に影響するのに対して,女児は相手が同性仲間であっても異性仲間であっても男児ほど社会的スキルを選択の基準としていないことが示唆された.本研究の結果は,幼児の仲間集団における人気度と社会的スキルとの関係を検討する際に性別の要因を考慮することの重要性を示している.
著者
水口 啓吾 里見 有紀子 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-109, 2010

本研究では, 発達障害児が在籍する通常学級の中から, 発達障害児と接触頻度の高い健常児である接触頻度高群(16名), その他の健常児である接触頻度低群(129名), および発達障害児群(10名)を選出し, 架空の物語場面を用いて健常児と発達障害児の交流態度について比較検討した。架空の物語場面では, 問題の原因が健常児側にある場面と発達障害児側にある場面の2場面を呈示し, その後で登場人物の発達障害児に対する印象評定と行動評定を求め, 3群間で比較した。その結果, 印象評定では2つの場面とも, 3群間に有意差は見られなかった。しかし, 行動評定では接触頻度高群が最も好意的態度を示した。発達障害児と日頃接触している接触頻度高群でも, 発達障害児の唐突な言動に対しては好意的印象を持たないこと, しかし発達障害児と一緒に勉強する・遊ぶなどの交流行動では寛容的であることが明らかになった。
著者
越中 康治 江村 理奈 目久田 純一 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.5, pp.161-167, 2005

本研究では,幼児の自由な集団編成に及ぼす仲間からの人気度と社会的行動特徴の影響を検討するために,保育園における整列場面(幼児が自由に2人組あるいは3人組を編成する場面)の観察と,人気度及び社会的行動特徴の測定を行った。結果として,男児では,集団編成に人気度の影響は認められず,攻撃性の高い者ほど3人組で中央の位置を占めていることが示された。女児では,2入組を編成する際には,仲間から人気がある者及び社会的コンビタンスが高いとされる者ほど容易に集団編成を行うことが示された。また,3人組を編成する際には,攻撃性の高い者ほど容易に集団編成を行うこと,引っ込み思案で非攻撃的な者ほど3人組で中央の位置を占めていることが示された。幼児の自由な集団編成に及ぼす仲間からの人気度と社会的行動特徴の影響は,性別や編成する集団の人数によって異なることが示された。