著者
寺沢 秀雄 折田 芳和 飯野 亜耶
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
pp.60-61, 2010-07

日常生活において私たちは,人の残した痕跡の違いを察し行動している.この痕跡を行動ログと呼ぶ.本研究では,その見え方を用いたユーザインタフェース(UI)デザインの方法を提示し,事例として人本来の感覚を用いたウェブサービスを考案することを目的とする.スポーツ鍛錬において,心(精神)技(技術)体(身体)は均衡を保つべき3要素として用いられることが多い.筆者らは,この3要素を組み合わせて系統的にUIデザインのアイデア発想を行う手法をコンセキメソッドと名づけた.体とは,人の経験の履歴である痕跡を示す.心とはウェブサービスの楽しさを示す.技とは技術動向を示す.行動ログの見え方を収集し,それを残した人の状況と思考を抽出し10種類に分類した.また,多くの人の心をつかむウェブサービスには,クラクラする楽しさが隠されていると仮定し,5種類に分類した.行動ログの見え方とクラクラする楽しさを組み合わせ,50個のウェブサービスのアイデアを考案した.魅力あるウェブサービスを構築するために,今後は本質的な人の経験から系統的にアイデアを導く手法が求められると考える.

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