著者
白波瀬 達也 Shirahase Tatsuya シラハセ タツヤ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.41-58, 2012-10

本稿はプロミスキーパーズという名称のキリスト教系ホームレス支援NPOのケーススタディを通して日本のFaith-Related Organization の志向性に焦点をあてる。プロミスキーパーズは活動開始当初、教会としてホームレス支援をしていたが、活動のための資源を多元化するためにNPO となった。そうすることで、プロミスキーパーズはホームレスに対して様々な支援を提供することが可能となり、沖縄で最も信頼されるホームレス支援組織となった。プロミスキーパーズは内部の結束力の強い教会を基盤にしながら、外部に開かれたNPOとして活動している。すなわち、プロミスキーパーズは結束型ソーシャル・キャピタルと橋渡し型ソーシャル・キャピタルの双方を内在させているのである。近年、「宗教の社会貢献」が社会的に学問的に要求されているが、本稿の事例は宗教の新たな社会参加のモデルを考察する一助となるだろう。

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