著者
矢野 秀武
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.61-65, 2014-04

島薗進著『日本仏教の社会倫理 ―「正法」理念から考える―』岩波書店、2013 年9 月18 日、四六判、281 頁、2300 円+税
著者
岸 政彦
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.95-100, 2015-10

白波瀬達也著『宗教の社会貢献を問い直す──ホームレス支援の現場から』ナカニシヤ出版、2015 年4 月20 日、四六判、264 頁、3,500 円(税別)
著者
頼尊 恒信 Yoritaka Tsunenobu ヨリタカ ツネノブ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.75-99, 2018-04

論文特集 : 宗教・障害・共同体―障害と共に生きることの宗教性本稿では、2016 年7 月に神奈川県相模原市で起きた障害者殺傷事件を受けて、事件とその背後にある優生思想について論点を整理する。そして、国連の障害者権利条約ならびに同権利委員会による一般的意見を参照しつつ、国際的な脱施設化への流れを確認する。その上で、仏教福祉思想が抱える課題点を明確化する。障害者権利条約をはじめとする社会モデルの思想を基軸として、相模原事件後の日本の共生社会の形成と宗教思想との関係について考える。Focusing on the murder of disabled people in Sagamihara City, Kanagawa Prefecture in July 2016 (Sagamihara Knife Attack), I describe the eugenic thoughts that forms the background of the case. Furthermore, I describe the stream for international deinstitutionalization, referencing the "Convention on the Rights of Persons with Disabilities" and general comments by the "Committee on the Rights of Persons with Disabilities". Moreover, I show problems of Buddhism welfare thought. Finally, I discuss attitudes towards the formation of Japanese living-together-society after the Sagamihara Knife Attack and religious thoughts, based on thoughts of social models such as the "Convention of the Rights on Persons with Disabilities.
著者
嶺崎 寛子 ミネサキ ヒロコ Minesaki Hiroko
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.27-51, 2013-04

本稿の目的は、在日ムスリムが東日本震災時に行った支援を、巻き込むこと、エンパワーメント等の開発学のタームを援用しつつ論じ、その意義を日本社会とイスラームという二つの文脈から整理・分析することである。事例としてイスラーム系の新宗教、アフマディーヤの在日メンバーらが、NGO・ヒューマニティ・ファースト(HF)として石巻市湊小学校避難所で行った支援を扱う。被災者たちが避難所という特殊な状況下でムスリムにどのような印象を持ったかを語りから検討し、避難所における「強制」がもたらした相互影響を具体的に見る。次に慈善の構造を恩/恩返しを援用し、受援者にとっての支援の意味という視座から整理し、一神教の慈善の構造よりは、被災者を巻き込んだエンパワーメント・アプローチが、効果的な支援を生んだ要因であると結論づけた。

3 0 0 0 IR 傾聴する仏教

著者
櫻井 義秀 サクライ ヨシヒデ Sakurai Yoshihide
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.29-53, 2015-04

This paper considers social exclusion in modern society through the lens of child poverty, arguing that exclusion should be addressed through provision of mental support as well as livelihood security. In particular, the practice of active listening, which aims to respond to modern people's needs for recognition and self-esteem, is examined. The case studies considered here show that self-recognition and recognition by others are important elements of care. Moreover, clinical religion guided by religious scholars and Buddhist monks should not be limited to unidirectional active listening between care-givers and care receivers, but should be the basis for constructing reciprocal relations in community. This point is illustrated through the case of a Buddhist priest in Fujisato-cho, Akita prefecture, who became the key person in creating collaboration between the local administration and social welfare providers.本稿では、子どもの貧困を糸口として現代社会における社会的排除の問題と考え、社会支援には生活基盤を確保するためのアプローチと精神的支援のアプローチがあることを確認する。その上で、現代人が求める承認欲求に応えようという傾聴の実践をさまざまな角度から捉え、自己承認や他者からの承認がケアにとって重要であることを論じる。宗教者や宗教学者によって提案された臨床宗教にとって課題となることは、傾聴の実践を一方的なケアの提供者・享受者の関係にとどめることなく、互酬的なケアのコミュニティ作りに関わっていくことだろう。その点で秋田県藤里町の事例は、僧侶がキーパーソンとなり、行政や社会福祉協議会と連携して地域福祉を実現する格好のケースとして参照されるものとなる。
著者
金田 伊代 カネダ イヨ Kaneda Iyo
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.57-75, 2016-04

ターミナルケアとは、回復の見込みのない疾患の末期に、苦痛を軽減し、精神的な平安を与えるように施される医療・介護である。ターミナルケアには各国独自の文化や宗教的な背景、死生観が関与するため、近年日本的なターミナルケアが模索されている。しかし、その研究や実践のほとんどはキリスト教や仏教的立場からのものである。日本人の死生観や霊魂観の根底には神道的な要素が含まれているが、神職が携わる可能性についてこれまでに体系だった研究はなされていない。そこで、ターミナルケアの宗教者の活動、神道と死との関わり、神道と医療福祉との関わりについてを文献調査と実態調査によって明らかにすることにより、神職におけるターミナルケアの可能性を探りたい。Terminal care involves counseling and palliation to reduce pain and bring peace to dying people. Previous research and practice of terminal care derive largely from Christian or Buddhist standpoints. Japan cannot simply copy foreign practices because they involve such cultural and religious worldviews. Japanese views of life and death include many Shinto elements, yet no one has studied the possibility of Shinto priests engaging in terminal care. From literature and original interviews demonstrating how Shinto priests already engage in medicine and welfare, this study suggests the possibility of their further involvement in terminal care.
著者
江島 尚俊 エジマ ナオトシ Ejima Naotoshi
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.99-106, 2012-10

大谷栄一著『近代仏教という視座-戦争・アジア・社会主義』ぺりかん社、2012年3月、A5判、294頁、5000円+税
著者
河田 純一 坂場 優 富澤 明久 福井 敬 宮澤 寛幸 弓山 達也 渡邉 龍彦 Kawata Junichi Sakaba Yu Tomizawa Haruhisa Fukui Takashi Miyazawa Hiroyuki Yumiyama Tatsuya Watanabe Ryugen カワタ ジュンイチ サカバ ユウ トミザワ ハルヒサ フクイ タカシ ミヤザワ ヒロユキ ユミヤマ タツヤ ワタナベ リュウゲン
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.1-33, 2018-10

論文本稿の目的は、東京・山谷地区の浄土宗寺院を拠点に路上生活者支援を行うひとさじの会に焦点を当て、そこに集うボランティアがどのような宗教性や価値を共有し、共同性を醸し出しているかを明らかにするところにある。そのため関与型調査の方法を模索し、Tled 法を開発して本稿に実装した。その結果、この路上生活者支援がもつ宗教性・価値・共同性について相反する性格を見出せた。In this paper our purpose is to show what types of religiosity / spirituality, values and cooperation volunteer workers share and how they share them, focusing on Hitosaji-no-Kai (one spoon club) based in the Jōdō Shū temple in Sanya, one of the biggest flophouse areas in Japan. We explore the use of an intensive "researcher in the loop approach" and develop the Tled Method for this paper. We found contradictory or conflicting characteristics among these homeless support volunteers regarding religiosity / spirituality, values and cooperation in their movement.
著者
深谷 美枝 Fukaya Mie フカヤ ミエ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.25-53, 2018-04

論文特集 : 宗教・障害・共同体―障害と共に生きることの宗教性本論は現状の社会福祉実践の中でスピリチュアリティ、わけてもキリスト教スピリチュアリティがどのような機能を果たしているかを探求するものである。津久井やまゆり園事件で明らかになったように、社会福祉実践現場は利用者への施設内虐待等厳しい荒廃の現実に曝されている。異なるタイプの施設に勤務する3人のクリスチャン障害福祉ソーシャルワーカーの語りが聴取、分析され、結果として仮説的ながら「バッファー」「深化」「規範提供」「エートスの実体化」の諸機能と「シフトワークとのジレンマ」の逆機能が抽出された。This paper attempts to explore functions of spirituality, especially Christian spirituality, in current social work practice. As was revealed in Sagamihara Knife Attack, the field of social work practice faces serious problems such as institutional abuse. The author interviewed three Christian social workers working at different types of facility for the mentally handicapped and analyzed their narratives. The results show hypothetical functions including "buffer," "making the profound,""providing norms," and "activating a professional and organizational ethos," as well as a "dilemma between shift work and observing spirituality" dysfunction.
著者
寺沢 重法 Terazawa Shigenori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.31-38, 2014-10

Richard Madsen, Democracy's Dharma: Religious Renaissance and Political Development in Taiwan, University of California Press、2007 年11 月、Octavo 型、191 頁、$31.95
著者
寺沢 重法 横山 忠範 テラザワ シゲノリ ヨコヤマ タダノリ Terazawa Shigenori Yokoyama Tadanori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-25, 2014-10

本稿の課題は、「現代日本において「死後の世界を信じること」と幸福感の間にはどのような関係が見いだされるのか」という問いに、日本版General Social Surveys(JGSS-2008)の探索的分析を通じて答えることである。知見は以下の通りである。①社会─人口学的諸変数および宗教属性を統制した上でも、死後の世界を信じる男性の回答者の幸福感は有意に高いことが明らかになった。②「死後の世界を信じること」は相対的世帯収入の低い回答者に対してのみストレス緩衝効果をもつことが明らかになった。③男女別も分析を行ったところ、男性については、「死後の世界を信じること」と幸福感の間の正の有意な関連と相対的世帯収入が低い回答者へのストレス緩衝効果が確認されたが、女性についてはいずれも確認されなかった。
著者
泉 経武
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.49-53, 2013-10

臨床仏教研究所編 『社会貢献する仏教者たち ツナガリ社会の回復に向けて』 白馬社、 2012年6月、 四六判、 293頁、 1800円+税