著者
松下 優衣 石田 弓
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.12, pp.179-196, 2012

アレキシサイミア傾向とは,『体感・感情の認識表現不全』と『空想・内省の不全』という大きく分けて2 つの構成概念からなるパーソナリティ特性を指す。先行研究ではアレキシサイミア傾向が身体に対する志向性,意味づけなど,身体の捉え方,体験のされ方における何らかの逸脱と関連することが示唆されているが,実証研究は少ない。そこで,本研究では身体をどのように捉えているのかという観点からアレキシサイミア傾向者の困難について検討することを目的とした。研究1 では大学生を対象に質問紙調査を行い,身体をどのように捉えているかを身体感覚の測定を通して捉え,アレキシサイミア傾向との関連を見ることを目的とした。研究2 では身体をどのように捉えているかを,バウムテストを用いて無意識的な側面から捉え,その特徴とアレキシサイミア傾向との関連を検討した。その結果,アレキシサイミア傾向と身体の捉え方,体験のされ方にある程度の関連が見られた。そして,アレキシサイミア傾向の下位概念である『体感・感情の認識表現不全』と『空想・内省の不全』で身体の捉え方の質が異なる可能性も示唆された。

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