著者
鹿嶋 瑛
出版者
明治大学大学院
雑誌
法学研究論集 (ISSN:13409131)
巻号頁・発行日
no.32, pp.1-14, 2009

現代憲法では,「法の下の平等」原則は,法律を執行し適用する行政権及び司法権を拘束するだけでなく,法の内容における平等すなわち立法権をも拘束する原則であると理解されている。ところが,中国では「法の下の平等」原則は,法律を執行し適用する国家機関が市民を差別してはならないという,法の適用における平等を意味すると解釈され,法の内容における平等が否定されてきた。しかし,法の内容に不平等な取扱いを規定していれば,例えば都市と農村では代表定数配分において極端に不平等な規定をおく選挙法などをいかに平等に適用しても,平等の保障は実現されず,通説的見解はむしろ市民の権利保障を阻害する機能を持っている。「法の下の平等」は法の内容における平等も意味すると主張する論者が現れ,通説を批判する議論が高まっている。

言及状況

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@yakisobasky @specialcat0 時間ができたのでもう一点。「法の下の平等」の定義にはいろいろ(絶対的平等/相対的平等、形式的平等/実質的平等)あり、中国における「法の下の平等」も議論があります。中国政府がやる事は何でも悪と決めつけると、見えなくなる現実もあります。https://t.co/CD4eQWWjyR

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