- 著者
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中村 博一
- 出版者
- 文教大学
- 雑誌
- 生活科学研究 (ISSN:02852454)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, pp.47-59, 2013-03
消防団は郷土愛護をかかげる義勇の組織とされ、地域防災の要となるボランティアリーダーと認識されている。本稿はある消防団の民族誌的報告であり、10年あまりにわたる参与観察をもとに断片的な語りや記憶をつなぐ試みである。消防団をめぐる4つの「間」から、現代の消防団の位相を浮かび上がらせようとする。地域の期待に応えられない制度的な矛盾や日本社会の変貌が団員の負担を増やす現状を描き出す。