- 著者
 
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             尾関 雅章
             
             岸元 良輔
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 長野県環境保全研究所
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - no.5, pp.21-25, 2009 
 
          
          
          
        
        
        
        本州中部の八ヶ岳・中信高原国定公園内に含まれる霧ヶ峰において、ニホンジカ(以下、シカ)によるキスゲ類(ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)とユウスゲ)の被食状況を把握するため、両種の花茎の被食分布を調査した。霧ヶ峰の草原内でキスゲ類の生育する65地点のうち、シカによる花茎の被食は57地点(87.7%)で確認された。調査地点全体での花茎の平均被食率は、57.4%であったが、キスゲ類の花茎密度の高い地点のなかには、被食率が80%以上と非常に高い地域もみられた。こうした被食圧の地域差は、シカが人の集中利用地域を忌避してキスゲ類を採食したことにより生じた可能性が考えられた。