著者
徳地 直子 臼井 伸章 上田 実希 福島 慶太郎
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.90-103, 2010
被引用文献数
3

里山の植生変化と物質循環。近年、生物多様性の維持に欠かせない場として、あるいは、現代の暮らしを見直す点などからも、里山に注目が集まっている。しかし、そもそも里山とはいったいなんだろうか?環境省によると、里地里山とは、都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落をとりまく二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念である(環境省HPなど)。天王山は京都と大阪の府境にあたり、天下分け目の戦いの場として知られている。天王山とそれにつながる西山では、自然保護団体や企業・行政・研究者などが森林整備推進協議会を立ち上げ、里山の保全に力を注いでいる。ここではまだ研究半ばではあるが、今後の里山管理を考える上で欠かせない、里山はかつて利用されていた時代にはいったいどのような山であったのかについて文献から考察し、次いで、現在はどのような状態なのかについて、天王山を例に二次林と竹林を比較しながら紹介する。

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