著者
鮎田 実 西尾 憲子
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.300-331, 2012-06-30

20年以上前に導入されて以来、全米で広まったドラッグコートは、保護監督、薬物検査、治療サービス、および、直接的な制裁と誘因の包括的なプログラムを通して、様々な事案が、非暴力的な薬物乱用犯罪者に関わる事案に対処するよう意図された専門的な裁判所である。ドラッグコートの諸原理と手続は、刑事被告人による他の常習的な行動形式を扱うために問題解決裁判所という形で採択された。そして、ますます共通するタイプの問題解決裁判所が、リエントリーコートであり、それは、1999年当時の国立司法研究所所長のJ・トラヴィスによって、州で刑務所後の再統合を管理する方法として初めて提案されたものであった。本稿は、最も初期の連邦のリエントリーコートプログラムを行ったオレゴン地区、マサチューセッツ地区、および、ミシガン西部地区のものを紹介するものである。/ アメリカ合衆国司法省の少年司法非行防止局による資料から少年裁判所で処理されている少年事件について、1985年から2007年までの犯罪カテゴリー別推移や特徴を中心に、性差や人種、年齢別の状況をこの基礎研究第111回では確認した。今回は、2008年の統計が新しく追加されたので、前回の考察をふまえて、1960年から2008年までの傾向とアメリカにおける非行事件の手続の流れから処理状況を考察する。この考察から、日本における少年事件をめぐる対応の現状と課題について比較検討する。

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こんな論文どうですか? アメリカ犯罪学の基礎研究(114): リエントリーコート / アメリカ合衆国における少年事件の概況と少年裁判所における処理状況の比較(鮎田 実ほか),2012 https://t.co/RwBGhKCQ0E

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