著者
鬼頭 明成
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.5, pp.33-49, 2007-03-20

本来、自主的・自発的活動をうながすことを目標にして出発した特別教育活動はどのようにして今日にいたっているであろうか? 生徒にとって学校生活に大きな比重を占める部活動の文言が学習指導要領上から消え失せ、卒業式は生徒・教師の意図とは無関係に国歌斉唱が義務づけられ、座席の位置や向きまで教育委員会の指示通りに行うことを強制されている。戦前において、儀式や修学旅行・運動会・学芸会が果たした役割を顧みながら、こんにち特別活動に期待されていることが何であるかを考察したとき、教育の論理より、行政の論理であり、政治の論理・経済の論理が優先されているのではないかとも考えられる。学力問題や学級崩壊、いじめ問題など子どもたちの心のゆがみが問題になっているなかで、真の教育・特別活動のあり方について再考を促したい。

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