著者
岩野 秀明 イワノ ヒデアキ Hideaki Iwano
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.53-61, 2006-02-20

この論文では、筆者は、真理論の部分とdoxa-論の部分を決定的に分離する解釈には賛成しない。我々の仮定は、パルメニデスはそのeonの概念を現象的世界の原理にまで発展させた、そしてそのための方法が「根源的多義性の方法」と我々が名づけるものであった、ということである。Eon(存在)の概念は二様に理解される、一方はマテリアリスティッシュな理解で宇宙と取り、他方はイデア論的にプラトン的イデアと取る。我々は両方を融合する統一的な道を取る。Eonは、真理、理念的宇宙、光(または火)という異なる意味を内包している。この概念的融合に、我々はパルメニデスの哲学的方法の可能性として、根源的多義性というものを見る。また彼の、思考と存在の一致、と、精神と要素の一致、のアナロジーは、根底からこの根源的多義性を支えている。このようにしてパルメニデスのeon(存在)が宇宙論的・宇宙創生論的内容に移行する、ことをこの論文は明らかにしようとするものである。

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