著者
須藤 康介

本稿では,国際学力調査TIMSS2011 の日本の中学2 年生データから,いじめの実態の量的把握と,学力といじめの関連についての分析を行った。分析の結果,主に以下の三点の知見が得られた。第一に,いじめ被害はからかいが最も多く,次いで暴力が多い。第二に,学力といじめにはそれほど強い関連はないが,仲間はずれ・デマ・盗難については,学力の低い生徒のほうがやや受けやすい傾向がある。そして第三に,学校の学力水準といじめには明確な関連がなく,高学力校/低学力校だからいじめが多い/少ないということはない。

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