- 著者
-
萱津 理佳
吉見 彩
- 出版者
- 長野県短期大学
- 雑誌
- 長野県短期大学紀要 (ISSN:02861178)
- 巻号頁・発行日
- no.68, pp.81-88, 2013
2011年3月に発生した東日本大震災においては、情報共有と情報発信のプラットフォームとしてTwitter等のソーシャルメディアの役割が注目を集め、これを機に地方公共団体においても公式Twitterの利用が増加傾向にある。しかしながら、実際に公式Twitterがどのように活用されているのか等の実態は明らかになっていない。また、利用を開始していない地方公共団体も多いのが現状である。そこで、長野県の全77市町村を対象に「公式Twitterの利用」に関する調査を実施した。具体的には、既に利用している自治体に対しては運営体制とこれまでの効果や問題点等について、利用していない自治体に対しては利用していない理由や今後の導入予定等を調査した。これらの調査結果より、現在公式Twitterを利用している市町村は全体の2割で、一部のアカウントは災害時のみに情報発信を限っており、フォロワー数も少ないなどあまり活発に利用されていないことが分かった。また、その内6割のアカウントでは返信機能を利用せず、行政からの一方通行での利用となっている、ガイドラインを作成しているのは3割にとどまっているなどの課題が浮き彫りとなった。一方、利用していない市町村の多くがTwitterを情報発信の手段として有効だと感じているが、運用までのルール作りやトラブルによるリスク等から導入をためらっていることが明らかとなった。