- 著者
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三枝 令子
- 出版者
- 一橋大学国際教育センター
- 雑誌
- 一橋大学国際教育センター紀要 (ISSN:21856745)
- 巻号頁・発行日
- no.3, pp.3-14, 2012
接続詞の中で「しかし」と「そして」は、それぞれ逆接、順接に分類され、接続詞の中でも基本的、代表的なものと言える。本稿では、「そして」と「しかし」が互いに言いかえられる時、言いかえられない時があることから、それぞれの場合を考え、その働きをみてみた。発話のプロセスに沿って考えると、「そして」は、後に続くことがらが最後であることを示し、「しかし」は、後件にそれまでの流れとは異なることがらが来る先触れと言える。接続詞の「そして」「しかし」を順接、逆接と分けるのが一般的だが、その違いは実は大きくはない。