- 著者
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川崎 健
- 雑誌
- 東北海区水産研究所研究報告
- 巻号頁・発行日
- no.10, pp.17-28, 1957-11
1.カツオの漁獲量の明治38年以降の統計を検討した。現在の漁獲量は釣漁法での限界に達していると考えられる。2.東北海区では昭和26年~31年の期間では、26年と31年が好漁年で、28年が不漁年であった。東北海区での漁獲量は、好漁年1,300万貫不漁年700万貫が大体の上下限であると思われる。3.3年魚の増重率および平均体重の年変動はかなり大きく、又好漁年には増重率も魚体も大きく不漁年には小さいという傾向がある。4.近年は昭和10年台に較べて来游量が減少していると考えられる。5.各年の3年魚の月別の漁獲尾数の推定を行った。その結果、3年魚の東北海区への投入はほとんど7月に行われ8月以降は添加が無く、漁獲のために存在量が減少して行くものと思われる。又一般的な減少曲線からのハズレから、昭和26年8月と31年7月は海況条件がよく、28年8月には悪かったと推定される。6.好漁年には漁場面積が増大し不漁年には減少する傾向がある。又単位漁場面積当りの漁獲量も好漁年(月)程大きい。