著者
小倉 和幸 新井 彰 定金 晃三 松本 桂
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.75-89, 2014-09

我々は大阪教育大学天文台51cm反射望遠鏡(以下51cm望遠鏡)における分光観測システムを構築した。これまで51cm望遠鏡を利用した撮像・測光観測によって様々な成果を挙げてきた。51cm望遠鏡での撮像・測光観測に加え分光観測が可能になればさらに学生の研究テーマが広がるとともに,設置から20年が経過する51cm望遠鏡の利用価値を大幅に高めることにつながる。そこで我々は小型望遠鏡での使用を想定して開発されたLHIRES IIIを用いて分光観測システムの構築に向けて機材の調節と試験観測を行った。その結果,明るい天体についてのスペクトルを得ることができた。本稿ではオリオン座δ星といっかくじゅう座V959 (2012年いっかくじゅう座新星)のスペクトルを用いて分光観測システムの性能を概算した。その結果,連星系のスペクトル変化や,明るい新星のスペクトルを観測可能であることが示せた。いくつかの課題点は残るが51cm望遠鏡による分光観測の基礎が構築できた。We developed a spectroscopic observation system of the 51cm telescope as an additional means of astronomical observation at Osaka Kyoiku University. While the 51cm telescope has been used for photometric observations and yield many scientific results, we can naturally expect that spectroscopic observation should bring more valuable information on astrophysics for us. We use LHIRES III sectrograph to construct the system of spectroscopy, and obtained optical spectra of some bright astronomical objects. We evaluated the performance of the system, especially by using the spectra of δ Ori and V959 Mon (Nova Mon 2012). Those tests indicated that we were able to obtain essecial informations required for astrophysical researchs of binary systems and classical novae, and the system is a promising tool for spectroscopic investigations of relatively bright objects by the 51cm telescope.

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