- 著者
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岸 隆幸
安田 毅彦
吹田 俊明
堀川 和久
大河原 望
Takayuki Kishi
Takehiko Yasuda
Toshiaki Fukita
Kazuhisa Horikawa
Nozomu Ookawara
- 雑誌
- 南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.2, pp.318-376, 2002-07
この報告は, 第39次南極地域観測隊気象部門が1998年2月1日から1999年1月31日まで昭和基地において行った気象観測の結果をまとめたものである。観測方法・測器・統計計算等は第38次観測隊とほぼ同様である。越冬期間中特記される気象現象としては次のものが挙げられる。1) 年間をとおして気象現象の変化が激しく, 年前半の気温は高めに経過した。3月の月平均気温は1位の高温を記録した。2) 6月3日から5日にかけてブリザードが昭和基地を襲来し, 最大風速46.4m/s, 最大瞬間風速54.8m/s(ともに6月の歴代1位)を記録した。9月は悪天が継続し, ブリザード日数は17日間を記録した。3) 10年連続で大規模なオゾンホールを観測し, 1998年9月, 11月, 12月及び1999年1月の月平均オゾン全量はその月として過去最低を記録した。オゾンホールの目安である220m atm-cmを下回る値が, これまでで最も遅い12月中旬まで観測された。