著者
黒坂 真
雑誌
大阪経大論集 (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.139-147, 2013-11-15

本論の目的は、社会主義独裁体制による世界革命路線を、資源配分上の効率性という側面から考察することである。分析により、独裁者が指導する海外革命工作組織による工作活動の生産性が上昇すると、独裁者が自国内で自らへの個人崇拝を強化する場合がありうることがわかった。海外革命工作組織に参加する人が多くなると、独裁者は自国内で自らへの個人崇拝を強化することもわかった。旧ソ連や毛沢東期の中国、北朝鮮における個人崇拝の強化は、海外革命工作組織による工作活動の生産性上昇または組織強化がもたらした経済主体の合理的行動の結果と解釈できる。

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