著者
内田 育子
出版者
島根大学大学院教育学研究科
雑誌
島根大学大学院教育学研究科「現職短期1年コース」課題研究成果論集 (ISSN:21884161)
巻号頁・発行日
no.3, pp.41-50, 2012-03-23

近年,発達障害についての研究がすすめられ,周囲の理解が広がりつつある。しかし,場面繊黙については,未だその理解や対応が遅れている。この研究では,大人しいが故に見逃されがちな「場面繊黙」の児童生徒について,どんな支援が必要なのかを検討した。子どもたちの思いによりそった支援をするためには,①周囲の理解,②適切な実態把握をもとにした柔軟な対応,③周囲の密な連携が欠かせないと考える。通級指導教室担当者への質問紙調査や事例研究,研修会参加,文献研究を通して,通級指導教室担当者の立場で考えられる具体的な支援や関わりについて検討した。通級指導教室担当者が子どもたちと直接関わるのは一週間のうちのわずかな時間であるが,「通級による指導」は「個別指導を中心にした特別の指導をきめ細かに弾力的に提供する」貴重な場である。通級指導教室で過ごす時間が少しでも有意義なものになるよう,よりよい支援のあり方について考察した。そして安心できる環境,信頼できる相手,自信を持つことができる関わりの大切さを確認した。

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【場面緘黙の子どもたちについて、内田2012】通級指導教室担当者の調査より、場面緘黙児の支援内容は一人ひとりと信頼関係をつくり、安心できる環境の中で活動を楽しむことが大切にされていることが分かった。実際に緘黙児も、全員が通級指導の時間を楽しいと感じていた。https://t.co/1yV4QAv3Zl

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