著者
宮嶋 純子
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ1 『東アジアの茶飲文化と茶業』
巻号頁・発行日
pp.119-128, 2011-03-31

本稿は,2009年7 月28日(火)から8 月5 日(水)にかけておこなった「沖縄における茶文化調査」に基づく,近現代の沖縄における茶業史と茶文化に関する報告である。近現代の沖縄における茶樹栽培の歴史は,紆余曲折を経ながらも定着と発展がはかられてきた。その努力と工夫は現在に至るまで,形を変えながら受け継がれている。一方,消費という面から見れば,さんぴん茶に代表されるように,沖縄における飲茶の主役は常に中国・台湾・日本という周辺諸地域からの輸入茶であったといえる。このような茶文化の発展と展開と可能にしたのは,沖縄が周囲の情勢に応じて様々な地域から茶を輸入することのできる「周縁」であり,その周縁性が保持され続けてきたからにほかならない。

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