著者
中澤 務
出版者
関西大学文化財保存修復研究拠点
雑誌
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巻号頁・発行日
vol.3, pp.21-30, 2012-03-08

In this essay I survey the historical process of the formation of the image of Egypt in 19th Century Britain. Following Foucault's and Said's of view, I analyze the following social phenomena in the 19th Cuntury : (1)The popular shows of Panorama and Diorama of Egypt, (2)The so-called "Egyptian Hall", (3)"The Great Exhibition of the Works of Industry of All Nations" in 1851, (4)The Importance of the "Crystal Palace," (5)Modern turism by Thomas Cook. In conclusion, I maintain that these social phenomena, which are deeply related to each other, created the modern image of Egypt.この論文の目的は、19世紀イギリスにおけるエジプトイメージの形成のあり方を歴史的に分析し、その特徴を明らかにすることにある。そのために、ミシェル・フーコーとエドワード・サイードの視点に立ち、次のような19世紀イギリスにおける多様な文化的現象を分析した。(1)パノラマ、ディオラマなどの見世物文化において、エジプトがどのように描写されているか。(2)いわゆる「エジプシャン・ホール」がエジプトイメージの形成に果たした役割。(3)1851年のロンドン万博博覧会の近代的特徴と、異文化イメージの取り扱い。(4)万博会場である「水晶宮」の果たした歴史的役割。(5)トマス・マックによる近代ツーリズムが、エジプトイメージ形成に果たした役割。以上の分析を通して、これらの社会現象が互いに密接に影響を与え合うことによって、近代的なエジプトイメージが形成されていったことが明らかになった。

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CiNii 論文 -  水晶宮の中のエジプト―19世紀イギリスにおけるエジプトイメージの形成― https://t.co/StItQvcCxn #CiNii

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