著者
井上 治
出版者
近畿大学経済学会
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.181-195, 2013-11

[概要] ソーントン・ワイルダーの後期の2種類のサイクル劇「人間の七つの世代」と「人間の七つの大罪」に含まれる3本の一幕劇「幼年時代」, 「子供時代」, 「アッシジの人」が上演されたとき, 彼は「ブリーカー・ストリートのための劇」という総合タイトルを付けた。「ブリーカー・ストリート」とは円形劇場の所在地であり, ワイルダーは演劇がかつて持っていた力を取り戻すことを意図して, 円形劇場で戯曲を上演したのである。しかし, 「アッシジの人」は彼の生前に刊行されず, 2種類のサイクル劇も未完に終わった。その理由は, くり返される主題を新しい表現形式で提示してきたワイルダーが, これらの一幕劇ではそれをできていないことを認識していたからである。 [Abstract] In his late years, Thornton Wilder wrote three one-act plays: "Infancy," "Childhood," and "Someone from Assisi," which were included in his two cycle plays The Seven Ages of Man and The Seven Deadly Sins. When they were performed, he chose the over-all title, "Plays for Bleecker Street." Bleecker Street was where the arena theatre was located, and Wilder had the three plays performed at the theatre in order to have the power restored that the drama once had in its great ages. However, "Someone from Assisi" was not published and neither of the two cycle plays was completed in Wilder'e lifetime. The reason must have been that Wilder was an artist who always expressed his frequent themes in different artistic styles for each work, and so he realized he had not shown any new style in stating the themes for these one-act plays.

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こんな論文どうですか? ソーントン・ワイルダーの「ブリーカー・ストリートのための劇」論 : 円形劇場でワイルダーが目指したこと(井上 治),2013 https://t.co/OLveZxSZ2Z
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