著者
藤 桂 遠藤 寛子
出版者
WebLab
雑誌
メディア・情報・コミュニケーション研究 (ISSN:2432048X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-57, 2016-03

インターネットの普及に伴い,ネットいじめという新しい形態のいじめも増えつつある。このネットいじめは,学校の中で生じる従来型のいじめと同じく,ネガティブ感情を引き起こすだけでなく,長期に渡る心理的問題をもたらすことが示されてきている。これを踏まえ本研究では,Wegner(1994)が示した思考抑制の逆説的効果に関する議論に基づき,ネットいじめ被害時において遮断的対処を取ることが,むしろ思考の反すうを引き起こし,短期的にはネガティブ感情の増大をもたらすと同時に,長期的にも対人面における否定的影響を及ぼすと予測した。ネットいじめ被害経験のある217名(男性85名,女性132名)を対象にウェブ調査を実施し,被害時における遮断的対処,ネットいじめ被害に関する思考の反すう,ネガティブ感情,長期的な影響としての対人的消極性について尋ねた。共分散構造分析の結果は,本研究の予測を支持するものであり,被害時における遮断的行動は,ネットいじめ被害者における否定的影響の長期化をもたらす要因となっていることが示された。

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CiNii 論文 -  ネットいじめ被害時における遮断的対処がもたらす短期的および長期的影響 https://t.co/nzlDLqfvpn

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