著者
高橋 春成
出版者
奈良大学総合研究所
雑誌
総合研究所所報 (ISSN:09192999)
巻号頁・発行日
no.23, pp.1-12, 2015

近年、我国ではイノシシの分布拡大が顕著である。その中で、イノシシが海を泳いで周辺の島々に渡っている事例もみられる。今回は、そのような地域の一つである南西諸島において実態調査を行った。その結果、奄美群島では、主として海岸部で行われる猟犬を使った狩猟圧や駆除圧によって在来のリュウキュウイノシシが周辺の島に渡っていることが明らかになった。今後はさらに、食料獲得など生態的な要因に関する調査も必要である。一方、慶良間列島では、持ち込まれたニホンイノシシが野生化し、周辺の島に侵入している実態が明らかになった。当地は、ラムサール条約湿地として登録され、国立公園にも指定されている。アオウミガメの産卵地、ベニアジサシやコアジサシなどの海鳥の繁殖地があり、侵入したニホンイノシシによる卵や孵化した子などの食害、営巣の妨害などが懸念され、今後の早急な対応が求められる。

言及状況

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イノシシは海を渡って繁殖してしまうので、漁師が泳いでるイノシシを殴って沈めるという話を聞いた。 https://t.co/k5d31AH0hT

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