著者
川勝 麻里 Mari KAWAKATSU
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.14, pp.226-211, 2014-12

キャラクターによるリミテッド・アニメーションから、日常に生きる人間らしい成長アニメーションへ。影響を受け続けた手塚治虫から宮崎駿はどのように卒業していくのか。七〇年代の手塚治虫的な、パターン化されたキャラクターが動くリミテッド・アニメーションの遍歴物語から、八〇年代の、等身大の少女が日常生活の中でリアルに動く成長物語へと、宮崎駿が脱皮していく過程を追いかけた。原作をどのように改変して成長物語が作られたかを分析。『ゲド戦記』の影響や、同時代の魔法少女アニメーションとの違いにも言及しながら、等身大の少女の〈成長〉を描いたところが、『魔女の宅急便』の面白さであると論じた。また、本作は『風の谷のナウシカ』に次ぐ〈魔法もの〉だが、ナウシカと比べて、職業によって生計を立てるという経済的部分がキキには付け加えられており、ナウシカになかった〈一人で生きるための〉手段として仕事する責任感が強められている。そうした「生きる力」は、宮崎がスタジオジブリの監督を通じて描き続けたテーマである。神格化されていない等身大の人間が悩む姿は、当時大流行した『魔法の天使 クリィミーマミ』の悩む姿も参考に作られていると考えられる。

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こんな論文どうですか? 宮崎駿と角野栄子、二つの『魔女の宅急便』 : 児童文学の成長物語が八〇年代ジブリ・アニメーションに与えた影響(川勝 麻里ほか),2014 https://t.co/KxtdCNRfT2
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こんな論文どうですか? 宮崎駿と角野栄子、二つの『魔女の宅急便』 : 児童文学の成長物語が八〇年代ジブリ・アニメーションに与えた影響(川勝 麻里ほか),2014 https://t.co/PFU6UBrmlR
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