著者
服藤 早苗
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.233-246, 2005-12

平安時代の十一世紀中頃の上層貴族層の婚姻決定と婚姻生活の事例検討である。右大臣実資は娘千古のいくつかの縁談を政治的な配慮をしつつ進めていくが、皇親源師房と道長息長家との場合は破談になり、道長次妻腹頼宗息兼頼との縁談がまとまる。婿兼頼は結婚当初から実資の小野宮邸東対に妻方同居する。舅実頼は婿に経済的援助や朝廷内の儀式や職務の教授を行うなど婿傅きを積極的に行い、小野宮一家との交流にも婿を参加させる。婿兼頼は実父頼宗宅へも度々訪れ、政治的行為や儀式等では父方の父系親族一員として行動する。また、小野宮一家と頼宗一家との交流も盛んに行われ、姻族とも密接な関係を保っていた。

4 0 0 0 IR 呪術師の誕生

著者
齋藤 正憲 Masanori SAITO
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.18, pp.27-36, 2018-12
著者
上野 昌之
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.211-224, 2011-12

アイヌ語は、アイヌ民族の独自言語である。かつて樺太、千島、北海道の三方言があったと言われるが、現在母語話者が残っているのは北海道方言のみとなっており、その母語話者も人数としては極めて少ない。こうした状況は言語学的には危機言語、つまり消滅の危機に瀕した言語として考えられている。アイヌ語の母語話者が減少した背景には、歴史的な要因が大きく関わっている。幕末から明治期の対アイヌ政策がもとらした帰結といえる。アイヌ語の衰退は、アイヌ民族の日本語への転換、日本化が進行してたことを意味する。言語を媒体とした相互の意志・思想・感情の世代間の継承行動の喪失が生じ、民族共同体に統一性が失われ、これまでの日常性が崩壊し、伝統的共同体の解体へと至ることになる。民族的アイデンティティが揺らぎ民族の存在が危ぶまれる状況になっていった。しかし、今日アイヌ民族は民族の権利回復をめざす活動を行っている。その中でアイヌ語の復興活動の持つ意味は大きいものになっている。本稿では、アイヌ語の衰退を歴史的な事実からたどり、アイヌ民族への教化により彼らの習慣、生活様式が変質を強いられていく過程を概観し、その際学校教育がアイヌ語の衰退に大きく関与していたことを明らかにする。次にアイヌ語のように危機言語と位置づけられる言語が衰退に導かれるプロセスを追い、その意味を考察する。そして、民族集団の持つ言語の権利を踏まえ、言語保護のための国際的潮流を参照する。そして最後に、アイヌ語の復興活動の一つとして地域的に繰り広げられているアイヌ語教室について、平取二風谷アイヌ語を例にその活動を概観し、行われている活動の中からアイヌ語復興にとって必要な事柄、復興の意義を考えることにする。