著者
廣井 いずみ
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.44, pp.99-118, 2016-03

死刑の確定判決を受けた者については、病的な側面が取り上げられることが多かったが、本研究では肯定的側面に注目する。死刑囚は自己の否定的側面を意識して死を待つだけではなく、残された生に肯定的意味づけを為し得ることもあるのではないか、為し得るとしたらいかに為されるのかをテーマに、死刑囚島秋人、同永山則夫の残した作品について質的分析を行った。島は、炭化を通して人とつながることで、自分の才能を開花させ、かつ残された生を豊かにすることを可能にした。永山は思索することにより、実存的に自己の生を捉えるようになり、表現することで外の世界につながることとを明らかにした。

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こんな論文どうですか? 死刑囚はいかに自分の生を受け入れるのか : 『無知の涙』と『遺愛集』の検討から(廣井 いずみ),2016 https://t.co/PPc9UhXBf3
こんな論文どうですか? 死刑囚はいかに自分の生を受け入れるのか : 『無知の涙』と『遺愛集』の検討から(廣井 いずみ),2016 https://t.co/1YMV6d23TJ

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