著者
初谷 譲次
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.129-141, 2015-02

カスタ戦争(メキシコ史上最大規模の先住民反乱:1847~1901年)の末裔であるクルソーマヤは,メキシコ・キンタナロー州において,軍事的色彩は喪失しているとはいえ,今なお,反乱過程で再編成した強固なエスニック・コミュニティを形成している。十字架信仰と教会護衛制度を軸とするマヤ教会コミュニティは植民地支配によって押し付けられたカトリックの祈りを自らの文化資本として再領土化している。他方で,メキシコ国家は,1910年の革命以降一貫してきた「統合主義」的先住民政策を,サリナス政権(1988~94年)期における新自由主義路線への方向転換を契機として「多文化主義」へとシフトしてきている。本稿は,マヤ教会コミュニティが国家によるマヤ先住民の包摂を促進する受け皿となっていることを肯定的に捉えようとするものである。

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こんな論文どうですか? メキシコ国家によるマヤ教会コミュニティの多文化主義的包摂 (片倉充造教授 還暦記念論集)(初谷 譲次),2015 https://t.co/HjuvOZ217J
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