著者
兒玉 昂幸 白石 日出人 渕上 哲
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 Bulletin of Fukuoka Fisheries and Marine Technology Research Center (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.24, pp.13-23, 2014-06

福岡県有明海区の河口域漁場では,ノリ網に付着したノリ葉体が数日で消失する現象が以前から発生しており、生産性の低い漁場となっている。しかし、河口域漁場は栄養塩が豊富にあり、ノリの色落ちが起きにくいため、原因を特定し有効な対策を講ずれば,ノリの生産性を向上させることができると考えられた。そこで,ノリ葉体消失の原因と考えられる低塩分海水による影響と藻食性動物の食害について検討を行ったところ,現場においてカモの摂食を確認し,消化管からもノリが見られた。また,カモの侵入を防ぐための囲い網を設置したノリ網では,消失は発生しないことが確認された。以上のことから,ノリ葉体消失はカモ類による食害が原因であり,カモ類のうち特にオナガガモとヒドリガモによる影響が大きいことが明らかとなった。

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