著者
三浦 周行
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 = Agriculture and horticulture (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, 2015-08

精油目的のハーブなどの栽培では,得られる量が僅かであり,収穫の時期の他に,時刻が問題となる。Filhoら(2006)はブラジル北東部の温室で栽培したバジル'Fino Verde'の地上部を3月の満開日の異なる時刻に収穫し,そのままあるいは40~60℃で葉を乾燥後,精油を水蒸気蒸留した。8,12および16時区それぞれのha当たり平均精油収量は9.7,7.9および7.4L,GC/MS分析した主成分リナロール量の全成分量に占める割合は60.0,56.1および55.1%であった。4月に再生した地上部を8時に収穫後,40℃で0~16日間葉を乾燥した結果,リナロール割合は5日区で86.8%と最高であった。午前中に収穫し,5日間40℃乾燥後の抽出が良いとされた。Ramezaniら(2009)はリナロールを主成分とする精油を生成するコリアンダーを4月にイラン西南部の圃場に播種し,7月の果実が緑色となった日の4時刻に地上部を収穫後,乾燥した。乾物重100g当たりの精油収量は6,12,18および24時区それぞれ0.432,0.436,0.404および0.319mLであり,12時の収穫が勝った。

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