著者
マレット ピーター J.
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Journal of the Faculty of Letters, Kobe Shoin Women's University = 文学部篇 : JOL (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
no.6, pp.37-47, 2017-03

ジェーン・オースティンは、作品名にもなっている主人公、エマについて、「私以外だれも好きになれそうにないヒロイン」と書いている。このように、文学作品では好感が持てるとは言い難い語り手や人物が登場する場合も多い。『嵐が丘』のヒースクリフ然り、さらには『ジーキル博士とハイド氏の怪事件』のハイド氏、『ロリータ』のハンバート・ハンバート、『華麗なるギャツビー』のジェイ・ギャツビー、『日の名残り』のスティーブンス、そして『ソーラー』のマイケル・ビアードもまた然りである。本稿は、2016 年10 月30 日に徳島大学で開催された第9 回Japan Writers Conference (JWC) で発表しており、今回は人から好かれにくい人々が登場する作品がどのように成功をおさめ、主人公が魅力的でないにもかかわらず、なぜ読者が物語に引き込まれるのかを考察する。"I am going to take a heroine whom no one but myself will much like," wrote Jane Austen of her eponymous protagonist Emma. Literature is populated with narrators and main characters who are not likeable: Heathcliff (Wuthering Heights), Mr Hyde (The Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde), Humbert Humbert (Lolita), Jay Gatsby (The Great Gatsby), Stevens (Remains of the Day) and Michael Beard (Solar). This paper, originally presented at the 9th Japan Writers' Conference at Tokushima University on 30 October 2016, will examine how the novels in which these characters appear achieve success, and why we care what happens, despite the unlikeable protagonists.

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こんな論文どうですか? 人間嫌いに人でなし : 魅力的とは言えない登場人物たち(マレット ピーター J.),2017 https://t.co/wYeveupnwN ジェーン・オースティンは、作品名にもなっている主人公、エマについて、「私以外だれも…
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