- 著者
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中尾 和昇
- 出版者
- 奈良大学
- 雑誌
- 奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
- 巻号頁・発行日
- no.45, pp.240-217, 2017-02
曲亭馬琴は、その生涯において、計七十作の合巻を執筆・刊行した。これらの翻刻は、板坂則子氏によって精力的になされてきたが、文政年間の作品については、未翻刻のものが数多く残されている。合巻の研究が立ち遅れている原因の一つに、読本に比して研究資料が十分に整っていないという現状が挙げられる。そこで本稿では、馬琴合巻 『縁結文定紋』 (文政八年 [一八二五] 刊)の翻刻をおこない、簡単な解説を付した。