著者
佐々井 明里 Sasai Akari ササイ アカリ
出版者
大阪大学大学院文学研究科 日本語学講座 現代日本語学研究室
雑誌
現代日本語研究
巻号頁・発行日
no.9, pp.60-75, 2017-03

「切ない」という形容詞は、辞書等では「胸が締め付けられるように苦しい思い」を表すと定義されているが、近年その意味が変化し新たな意味・用法が生じている可能性があるため、近現代のコーパス等を用いて調査した。その結果、「切ない」は、近代から現代にかけて使用される文章ジャンルが拡大し、①芸術批評などを通してその作品の内容を客観的にプラスに評価する「属性的な意味」、②日常的で深刻度の低い出来事に対してなんとなく残念であるとの心情を表す「軽い意味」、という新たな意味が生じていると結論付けた。これらの新たな意味の成立には、「切ない」が本来持つ「他者への感情移入」と「理想・期待と現実とのギャップ」という二つの意味特徴が機能していると考えられる。

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寝られなくてスマホをいじっていたら「切ない」にプラスの意味があるって記事をみつけて???だったから調べたら納得! 芸術的な物への評価の意味合いでプラスになるけど、 CiNii 論文 -  近現代語における感情形容詞「切ない」の意味変化 https://t.co/nEwSDG2o6u

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