著者
柳本 広二 中城 有香子 大和 恵子
出版者
洛和会ヘルスケアシステム
雑誌
洛和会病院医学雑誌 (ISSN:13411845)
巻号頁・発行日
no.28, pp.7-24, 2017-03-31

分泌性タンパク質BDNFは、神経系前駆細胞の分化と成長、および、神経突起の伸展促進を司る神経栄養因子であり、脳神経の生存や神経突起の維持に欠かすことができず、中枢神経系に見られる神経細胞による複雑なネットワーク構築は、局所的なBDNFの産生調整に支えられている。脳の成長発達が終了した後のBDNFの産生は、シナプスの形成と消滅、および学習と記憶に関する神経の可塑性を司り、正常な脳機能を維持している。BDNFは、膵臓内の受容体を介して全身の糖代謝を制御し、視床下部にある受容体を介して食欲や食事行動を制御し、また、広範囲に存在する受容体を介して虚血後の神経脆弱性をも制御する。BDNF量が低下すると、うつ症状や不安が発現するが、脳内のBDNF量が適切に増加した場合には、正常な学習記憶能が増強し得る。ここでは、BDNFが有する多彩な機能性を展望し、人の脳内BDNFを安全に増加させることを目的として現在新たに開発されつつある手段、本邦で生まれた高電位治療器の原理を用いた進化系医療機器、および、新たな手法を用いて作成する新規発芽玄米(進化系和食)による脳内BDNF維持、増強法も併せて紹介する。(著者抄録)

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CiNii 論文 -  「脳機能を高める分泌性タンパク質、脳由来神経栄養因子:BDNF」環境が制御する道具としての、気力と記憶 https://t.co/4Pd5N7j33G #CiNii これで一本の記事が書けそう

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