- 著者
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隅田 孝
- 出版者
- 四天王寺大学
- 雑誌
- 四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
- 巻号頁・発行日
- no.64, pp.179-194, 2017
本稿では、少子高齢化の影響を受けた子供市場において、近年いわゆる豪華一点主義といわれる現象がみられ、そのような子供市場についてマーケティング論的分析を行った。豪華一点主義といった社会的背景を受け、近年関心の高まりをみせ注目を集めている子供や若者といった若年層をターゲットにしたマーケティングのあり方を、食品産業、とりわけ玩具菓子及び外食産業を例にあげて分析を行った。 玩具菓子市場では大人と子供のボーダーレス化現象がみられ、大ヒット商品を誕生させた要因の1 つであると考えられる。従来、大人が好んで購入する商品とみなされていたモノが子供の嗜好を刺激するモノであるといったように潜在的なニーズの発掘に成功した。その逆の成功事例も数多く存在する。たとえば、子供の玩具から大人のコレクションへというように、玩具菓子が市場で新たな価値を帯びていくプロセスをチョコエッグやプロ野球カードを事例に、そのメカニズムを明らかにした。また、今後の食品産業における子供市場のあり方として、子供というカテゴリーにとらわれることなく、子供と大人が共有できる価値をもつ製品の開発が求められることを述べた。