著者
中尾 和昇
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.46, pp.268-239, 2018-03

" 前稿に引き続き、馬琴合巻 『縁結文定紋』 (文政八年 [一八二五] 刊)の翻刻をおこない、簡単な解説を付した。 本作は浄瑠璃や歌舞伎でお馴染みの、いわゆる 〈八百屋お七もの〉〈お千代半兵衛もの〉 を組み込んだ作品である。本筋は単純な御家騒動物だが、演劇に見られる情緒的な趣向を重層的に織り込むことで、作品全体に起伏をもたらしている。また、悪人として造型される坊主吉三の形象から鑑みるに、本作は 「三人吉三廓初買」 において完成される 〈八百屋お七もの〉 の系譜に連なるものと考えられる。このほか、さまざまな演劇的趣向も盛り込まれている。"

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中尾 和昇 -  曲亭馬琴『縁結文定紋』 : 解題と翻刻 (下) https://t.co/IDF2tEjve4

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