著者
石居 基夫
出版者
ルーテル学院
雑誌
ルーテル学院研究紀要 = Bulletin of the Japan Lutheran College and Theological Seminary (ISSN:18809855)
巻号頁・発行日
no.51, pp.1-14, 2018-03-01

本稿は、ルターの教会の理解における宣教論的本質を明らかにするものである。一般に、G. ヴァルネックに見られるように、ルターの教会論には宣教的視点がないかのごとく論じられることがある。しかし、ルターの教会論はそのみ言葉中心性において優れて宣教論的性格を持っている。ルターにとっては、教会はいつでも「宣教(Proclamation)」のために存在する。 この論述では、ルターの教会理解における見える教会と見えない教会という二重性の問題、またその終末論的性格を示し、信仰のない者たちにも、またすでにキリストの教会にある者たちにも、絶えず繰り広げられる神の宣教の働きを教会の脈絡の中に明らかにする。 付論として、ローマ・カトリック教会とともに宗教改革500 年を記念したルーテル教会の宣教的課題を論じた。ルーテル教会が、現代世界の中で果たすべき宣教的責務を、具体的な日本の教会の脈絡の中で論じている。

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