- 著者
-
遠藤 織枝
- 出版者
- 文教大学
- 雑誌
- 文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.1, pp.12-23, 2006-10-01
戦時中の雑誌の用語研究の一環として、天皇関連の敬語使用の実態を報告する。戦時中の皇室に関する敬語には特殊なものが多くあり、また、その使用については厳しい強制があった。戦後まもなくの敬語の見直しで、それらの特殊性が浮き彫りにされた。しかし、その使用された当時の実態に関する報告は少ない。今回の戦時中15年間の雑誌のグラビアの文章を通して明らかになったのは、尊敬にも謙譲にも二重三重の敬語が使われ、過剰・誇張と思われるほどの敬語使用が日常であったという事実である。