著者
川口 良
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.37-57, 2017-09

「断り表現」として用いられるようになった「大丈夫」の「新しい用法」に注目して、「大丈夫」の意味機能の歴史的変遷を明らかにし、現在の新用法をその変化の過程に位置付けることを目的とした。分析に当たっては、語用論的意味変遷のプロセスとして「文法化」「主観化」「間主観化」を援用した。まず、『日本国語大辞典』(小学館)の用例によって「大丈夫」の意味変遷をたどり、「大丈夫」が明治期までに二度の「主観化」を起こしたあと、「聞き手の懸念を打ち消す」という配慮表現となって「間主観化」を起こしていることを示した。次に、現在の「断り表現」としての用法を検討し、「大丈夫」が「聞き手の気遣いを辞退する」表現となって、相手の主観性にいっそう配慮した意味機能をもつようになったことを論じた。これは、話者の間主観性がより強まって、「大丈夫」が新たな「間主観化」の段階に進んだことを示すものと考えられる。

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https://t.co/nNIijXimhY 「若者ことばに見る(間)主観化について : 「大丈夫」の新用法に注目して」それがねえ、「大丈夫」ってのは「.. https://t.co/prIYtjO82j 「たとえば「大丈夫」を英語に訳すと、めちゃくちゃバリエーションあって全然大丈夫..」https://t.co/Aw1j4S9U0v にコメントしました。

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