著者
和田 健
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Chiba University journal of liberal arts and sciences (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-79, 2019-03

[要旨] 本稿では地域振興施策として提唱される「二地域居住」や「移住」による新旧住民の関係を構築する民俗学的方法の可能性について検討したい。具体的には、転入する側(新住民)が、転入する場であるむら(村)における民俗慣行をどう捉えるべきかを検討する。また古くからそこに住む人たち(旧住民)が、今まで伝承してきたむらの運営を新住民にいかに理解してもらえるかについても考える。新住民にとって、旧来の民俗慣行で懸念となるのが、近隣のつきあいに関わる暗黙のルールである。特に草取りや水源の清掃などの共同作業を欠席する場合、どのような罰則(出不足金の金額など)があるのかなどは気になるといわれる。しかしそれぞれのむらで行われている罰則内容をデータとして考えるのではなく、そのむらの「村柄」を理解し有機的なつきあいの中でその意味を考えるべきである。村柄を理解する民俗学的方法の可能性について、千葉県鴨川市川代区を事例に若干の考察を試みたい。

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