著者
渡邉 尚孝 久保田 眞吾 倉増 泰弘
出版者
梅光学院大学子ども未来会議
雑誌
子ども未来学研究 (ISSN:18817424)
巻号頁・発行日
no.12, pp.39-51, 2018-02-28

本研究は,海外留学の効果に関する先行研究を踏まえ,1ヶ月間のフィリピン短期海外留学を経験した学生の体験レポート(149名分)の中から,異文化体験の学習過程を示す記述を中心にテキスト分析を行うものである。特に短期留学プログラムの意義や効果を把握し,今後のプログラム更新に向けた示唆を得ることを目的とする。方法としては, KHcoderによる計量テキスト分析を用いた。現地における語学研修以外の活動に関する記述内容を検討し, 1"生活環境に関することJ1"対人関係に関することJ1"文化に関することJ1"自分自身に関することJ1"ボランティアに関すること」の5つのコードに分類して解析した。その結果,90%以上の学生が現地の生活環境や対人接触の中で自国あるいは自分自身を振り返り,帰国後の生活に対する意識の変化を感じるなど,貴重な体験をしていることが確認できた。特にサブプログラムにおけるボランティア体験はそのきっかけとなっていることが認められ,生活環境の違いや子どもたちとの関わりは強いインパクトを持つと考えられた。

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