著者
田中 敦
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学国際学部紀要 = NUIS journal of intenational studies (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
no.4, pp.131-143, 2019-04

本論では、案内表示に用いられるピクトグラムを記号と捉え、その解釈を認知という動的なプロセスの中で分析することを試みる。 まず、ピクトグラムが、約定性とともに類像性によって対象を指示する記号原理を有することを明らかにし、そのことが原理的に多義的な解釈を許容することを確認する。ただし、案内表示は情報伝達を機能として有するものであり、本来、解釈の多義性は許容されない。 そこで本論では、認知という観点を導入し、認知領域とコンテクストの関与によって、多義性が限定されるプロセスを分析する。具体的には、「空間ドメイン」と「行為ドメイン」という認知領域の区別により、同一のピクトグラムから異なる解釈が導かれることを確認したうえで、案内表示が設置される環境がコンテクストとなり、認知領域の設定を促すことを指摘する。

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