著者
魚島 純一 坂本 直也
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-8, 2019-02

" 兵庫県新温泉町湯区に所在する薬師堂の江戸時代に描かれた格天井板絵の一部を取りはずすことができ、蛍光X線分析により非破壊で色材の同定をおこなうことができた。格天井板絵は取りはずしが困難なためこれまで色材の分析調査ほとんどおこなわれていない。 分析の結果、一部から一般的に用いられる銅系緑色顔料である、"緑青"とは違った亜鉛とヒ素を含む特徴的な銅系の緑色顔料を検出した。 亜鉛とヒ素を含む銅系緑色顔料の存在は、平安時代や鎌倉時代のものをはじめ、国宝や重要文化財の絵巻物や屏風などを中心にすでにいくつかの報告がなされているが、地方に残された江戸時代の文化財での使用が確認されたことは、この色材の位置づけを考えるにあたって大きな意味をも持つ。今後、彩色文化財の調査をおこなう上で、この色材の存在をあらためて認識しておく必要がある。"

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CiNii 論文 -  亜鉛とヒ素を含む銅系緑色顔料を用いて彩色された江戸時代の板絵 https://t.co/zfUIsJTbfr

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