著者
藤野 遼平 Fujino Ryohei
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.25, pp.37-49, 2020-03-31

本研究では,現代青年に顕著なキャラを介した友人関係について,友人グループがどのように影響を与えているのかを検討した。本研究の目的は,キャラを介した友人関係に特徴的であるとされる友人グループの性質がキャラの有無及びキャラの受け止め方とどのように関連し,心理的適応に影響を与えているのかを明らかにすることであった。大学生171名に質問紙調査を行った。分析の結果,キャラの有無は友人グループの性質および心理的適応に関連が見られず,友人グループの性質である同調性と心理的距離が居場所感及び自尊感情に影響を与えていた。またキャラの受け止め方では,自尊感情にはキャラの積極的受容やキャラ行動が影響を及ぼしている一方で,居場所感には友人グループの性質である心理的距離と同調性が影響を及ぼしていた。以上の結果から,キャラは自尊感情を高めるものの居場所感とは関連せず,心理的適応を高めるためにはキャラを見直すよりも所属している友人グループの特徴を見直すほうが重要であることが示唆された。

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「キャラ」を通じた友人関係における友人グループの影響について : 心理的適応と居場所感の観点から https://t.co/SSf5RdT2sk

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